ハーブやアロマの事をなんにも知らない日本人がオックスフォードの老舗ハーブショップに研修にやってきました。どうやら最近日本ではアロマセラピーが流行りはじめたらしい…
しかし、英語もままならない、ハーブの事もアロマの事もまったく知らないこの日本人に何から教えたらいいのかしら?こまった!!それが当時のショップマネージャーの本音だったに違いありません。
アロマセラピーに携わって間もない頃、幸運にも英国研修にいかせていただきました。
わからないことだらけの私の状況がどうであれ、年末の繁忙期、時間だけがお構いなしに過ぎていく中で、あたりまえですが店内には全てが日常でした。業務用の様な大瓶のラベンダーのエッセンシャルオイルをカゴに入れるお母さん、リュウマチだから欠かせないとローズマリーのオイルを何本も手に取るおばあちゃんも、おつかいでナツメグを探す男の子も、ジンジャーシロップを箱買いするおじさんも、みんな日常の買い物で、私が抱いていた、おしゃれで今どきの特別な香りグッズとは真逆。昔からハーブやアロマセラピーが生活の中に溶け込んでいたであろう光景です。
そういえば、祖母がアロエやドクダミといった植物を庭先のくすり箱然り、探って使っていたのも…ハーブ。
あるハーブの定義には『生活に役立つ香りある植物』とあります。
ハーブやスパイスは世界中のいろいろなところで、大昔から生活に役立ってきました。
どこか敷居が高く感じるハーブやアロマセラピーも少し見方を変えれば他国の先達に重宝されて受け継がれてきた、庭先の薬箱、知恵袋といったところかと。
香りある植物の恩恵をどう生活に役立てるか、考え、使い、発見の繰り返しは楽しい。
庭先の薬箱はパンドラの箱でした。
TAKEDA