世界で最も有名な香水 CHANEL No5。
No5の香り自体を知らなくても、名前は知っているという方は多いのかもしれません。
ココ・シャネルという女性が世に名を馳せて以降『シャネル』へ憧れを抱いた女性は世界中にどれほどいるのか想像がつきません。
女性の装いからコルセットを外し、キャリアを重ねる女性の為のファッションを確立させたシャネルが、“自由な精神を有する現代の女性の心に訴えかける香りが必要”と考え、1921年の5番目の月、5月5日のコレクションで香水はお披露目されました。サンプルの段階の10本の香水には1〜5、20〜24のナンバーがうたれており『5番目のサンプルの名前は運がいい名前だからそのまま使う』と『No5』が誕生した話は有名なのかもしれません。シャネルは“5”というナンバーに強い運を感じていたそうで、その運は100年経とうとする今もなお輝いています。
香を身に纏うことが身だしなみやファッションショーの一つではなく、アイデンティティーとも取れる表現の一つになったのも、No5が始まりなのかもしれません。
香りを扱う者として気になるのがブレンドです。No5には、ローズやジャスミンなどの多くの精油とアルデヒドなどの合成香料が80種ほど混在しているとのこと。
その中でもジャスミンの香りが要となっているのか、No5に使用されるジャスミンの花はNo5の為だけに90年以上も同じ畑で栽培されているようです。
原料の供給がままならない状況下に何度か落ちいった中でも生産を止める事なく、守り続けられた香りには、シャネルの想いを受け継いだ多くの人の尽力があったのだと思うと背筋が伸びる気がします。
継続こそが困難だからこそ、継続に価値があると身を以ってわかりはじめたこの頃。
精油を使いはじめてからは香水が少し苦手になってしまったものの、微かに薫るNo5の香りには思わず振り返らせる程の存在感があり、惹かれてしまう気になる香りです。
TAKEDA